3月7日テレビ朝日の「ニュースステーション」で、「高齢者がよみがえる村〜老人医療費削減の舞台裏」という特集が放送されました。
場所は長野県東御市・旧北御牧村で、この10年間で一人当たり4万円も老人医療費を削減しているということでした。大幅削減に成功した理由として、みまき温泉診療所を中心とした「ケアポート」と呼ばれる施設の役割が取り上げられていました。
「ケアポート」とは、市立診療所(リハビリ部門併設)に隣接して特養施設や各種介護施設、健康増進施設、身体教育医学研究所、村の保健福祉課が同居しています。まさにワンストップサービスのコンビニ感覚。そして管理・運営は、社会福祉法人「みまき福祉会」が行い、診療所がその建物の一部を賃貸しすることから収入を得ています。
この特集の中で、80歳のおばあさんが、元気にプールでアクアビクスをし、プール内では正座をしているのです。診療所での診察シーンで、この人は膝関節変形症で、一時期は寝たきりに近い生活だったということがわかりました。また「人間の自然治癒力をいかに引き出すかが重要」という医師の言葉が印象的でした。
この施設は、競艇で有名な(ある意味悪名高き)日本財団の支援で作られた施設です。今無駄なハコモノ行政が問題になっていますが、この取材を見る限りでは、非常に成功している例だと思いました。
それは福祉・医療の機能を集中的に配置し、医療と介護、そしてスポーツ医学が連携してひとり一人の健康作りを支援していることです。
また診療所が担っている役割は、一般診療から日常の健康相談、在宅支援サービス、特養への医療サービス、訪問看護サービス、総合病院・専門医との連携です。
厚生労働省は、医療費抑制のため、在宅を中心とした医療・介護政策を進めています。ただその中には、利用する人の利便性を考慮することが欠けていると思います。
医療費を削減しながら、生活する人たちが安心して健康に暮らしていく為には、急性期医療(2次・3次)と、それ以外の医療の役割をもっと明確にして、急性期以外は福祉・介護と一体となった新しい保健体制をつくり、それで削減できた予算を、予防医療・医学と呼ばれるものに重点配分することもひとつの方法ではないかと思いました。この先10年後の80歳は、今の80歳よりも健康な80歳にしていきたいと思います。
みまき福祉会(ヶポートみまき)のホームページ