2007年05月09日12時30分
介護福祉士とは別に、准介護福祉士という新たな資格が誕生する見通しになった。背景には、フィリピン人介護者の受け入れ促進との判断もある。
現在、介護福祉士になるには、(1)大学や専門学校など指定の養成校を卒業する(2)福祉系高校を卒業するか介護現場で3年以上働いた後に国家試験を受ける、のいずれかの方法がある。しかし、国家試験はここ数年、合格率50%を割るほどの「難関」だった。
昨秋結ばれた日本とフィリピン間の経済連携協定で、日本への介護者の受け入れを決めたが、日本で働き続けるには、4年間の滞在中に介護福祉士の資格を取ることが条件とされた。だが、試験が義務づけられると、言葉の問題などでハードルが高くなる。
厚生労働省は養成校を卒業すれば、国家試験を受けなくても落ちても「准介護福祉士」と名乗れるという妥協策を盛り込んだ。介護福祉士の「援護と助言」を受けながら働く想定。
日本介護福祉士会は「現場では、現在でも介護福祉士、ヘルパー、無資格者と様々な人がいる。『准』が入れば、介護の専門性とは何なのかという疑問を持たれかねない」と心配する。
今回の改正法案は4月末、参院を通過し、現在衆院で審議中。
介護福祉士
高齢者や障害者の入浴・排せつ、食事その他の介護を行い、専門的知識をいかしてその人や介護者に対して介護に関する指導・助言を行う。指定の養成施設で必要な科目を履修して資格を取得する方法と国家試験で資格を取得する方法がある。なお資格がなければ介護の仕事ができないというわけではない