朝日新聞5月2日付けによれば、京都大学病院では、昨年末から掲示物やホームページなどの「患者様」という表現を「患者さん」や「患者の皆さま」に改める作業を進め、院内放送を録音し直し、看板はすべて取り換えたとのことです。
また、各病院が「患者様」という言葉を、使い始めた理由として01年に厚生労働省が出した国立病院のサービスに関する指針に、「患者の呼称の際、原則として姓(名)に『さま』を付する」という内容があったからではないかという事が書いてありました。
この記事の中で一番印象に残ったのが次の記事です。
国語学者の故金田一春彦さんが自著「日本語を反省してみませんか」(角川書店)で、「『患者』という言葉自体がすでに悪い印象を与えるため、いくら『さま』をつけてもらってもうれしくない。(中略)いくら頑張っても敬うことにはならないのである」。
確かに患者という言葉の響きや連想される意味合いの方が、「さん」や「さま」の問題より重要ではないかと思います。